イラン戦争と在日米軍基地の深い関係―このまま米国に自由に使わせていいのか?

米国の対イラン軍事作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」には、日本に配備されている米軍部隊も多数参加している。米国は日本政府や日本国民の意思とは関係なく、自由に在日米軍基地をイランでの作戦のために使用しているが、本当にこれでよいのだろうか?
布施祐仁 2026.03.31
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在日米軍部隊がイラン船籍の貨物船を拿捕

 米国のトランプ大統領は4月19日、イランの港に向かって航行するイラン船籍の大型貨物船を攻撃し、 拿捕したと自身のSNSで明らかにした。

 米中央軍によると、イラン最大の港・バンダルアッバスに向けてアラビア海北部を航行中のイラン船籍の大型貨物船「トゥスカ」に対して米海軍が停船を命じたが、従わなかったため攻撃し、拿捕したという。

 まず米海軍駆逐艦「スプルーアンス」が機関砲で貨物船の機関室を攻撃して航行不能にした上で、海兵隊の部隊がヘリで乗り込んで制圧・拿捕した。

 ヘリは米海軍の強襲揚陸艦「トリポリ」から発進した。同艦は第7艦隊所属で、日本の佐世保基地(長崎県)を母港としている。ヘリでイランの貨物船に乗り込んで制圧・拿捕したのは、沖縄に駐留する第31海兵遠征部隊(31MEU)の隊員らであった。 

イラン船籍の貨物船に乗り込む第31海兵遠征部隊の隊員ら(米中央軍X公式アカウント)

イラン船籍の貨物船に乗り込む第31海兵遠征部隊の隊員ら(米中央軍X公式アカウント)

 米国とイランは4月7日、和平協議を行うため、2週間の停戦で合意した。これに伴い米国はイラン国内への攻撃はいったん停止したが、13日からアラビア海北部でイランに対する海上封鎖を開始した。海上封鎖も武力行使の一形態であり、イランは停戦合意違反だと強く反発している。

 これに在日米軍の部隊も参加しているのだ。

 米戦争省は4月21日、駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」がアラビア海で海上封鎖作戦に加わっている写真を公開した。写真の説明文には、「イランの港と沿岸地域に出入りする船舶に対する海上封鎖中にアラビア海を哨戒した」と記されている。この駆逐艦も、前出の「トリポリ」と同じく第7艦隊所属で、母港は横須賀基地だ。

イランに対する海上封鎖作戦に加わる横須賀を母港とする米海軍駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」(米戦争省画像配信サービスDVIDSより)

イランに対する海上封鎖作戦に加わる横須賀を母港とする米海軍駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」(米戦争省画像配信サービスDVIDSより)

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三沢、横須賀、佐世保、沖縄から出撃

 日本に配備されている米軍部隊が、対イラン軍事作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」に投入されるのは、これが初めてではない。

 米戦争省は3月3日、神奈川県の横須賀を母港とするミサイル駆逐艦「ミリウス」が中東地域で巡航ミサイル「トマホーク」を発射する写真を公表した。同じく横須賀を母港とするミサイル駆逐艦「ジョン・フィン」も、対イラン作戦に加わっていることが明らかになっている。

横須賀を母港とする米海軍ミサイル駆逐艦「ミリウス」がイランに向かって巡航ミサイル「トマホーク」を発射(米国防総省画像配信サービスDIVIDSより)

横須賀を母港とする米海軍ミサイル駆逐艦「ミリウス」がイランに向かって巡航ミサイル「トマホーク」を発射(米国防総省画像配信サービスDIVIDSより)

 開戦初日の2月28日にイラン南部ホルムズガン州の女子小学校に撃ち込まれ、児童や学校職員ら170人以上の命を奪ったのも米軍のトマホークだったとみられている。もしかしたら、横須賀から出撃した米艦船が発射したトマホークだったかもしれない。

 さらに、青森県の三沢基地に配備されている戦闘機(F16)部隊や沖縄県の嘉手納基地所属の兵士らも中東地域に展開していることが明らかになっている。

 日本政府は米国の対イラン軍事作戦に対する支持を明言こそしていないが、米軍への基地提供を通じて間接的にこの作戦を支援していると言える。

 日本ではこのことがあまり問題になっていないが、国内に米軍基地を抱える他の国は、その使用に関してもっと敏感だ。

スペインやイタリアは基地使用を拒否

 代表的なのは、スペインだ。同国のサンチェス首相は、米国・イスラエルによるイラン攻撃を「国際法違反」と批判し、「我々は違法な戦争には関わらない主権国家だ」として国内の米軍基地の使用を拒否した。

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続きは、3107文字あります。
  • 国連憲章違反の軍事行動は日米安保条約にも違反
  • 骨抜きにされている「事前協議制」
  • 侵略と戦争犯罪に加担しないために

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