自衛隊がパランティア社のAIを導入する可能性――背景に米軍の指揮統制システムとの一体化
朝日新聞の報道(6月28日付)によると、今年1月下旬から2月初旬にかけて東京・市ヶ谷の防衛省などで実施された日米共同統合指揮所演習「キーン•エッジ」で、米企業パランティア社のAI(人工知能)ソフトウェアが初めて用いられたという。
また、自衛隊でも「検証」を目的に同社のAI(人工知能)の導入が始まっているという。
パランティア社といえば、今年3月に同社のピーター・ティール会長が訪日した際、首相官邸で高市早苗首相と面会したのが記憶に新しい。また、小泉進次郎防衛大臣も1月に訪米した際、同社を訪れて「安全保障分野におけるAIの活用状況などについて率直な意見交換を行った」(防衛省ウェブサイト)。
こうしたことからも、パランティア社と高市政権の“接近”がうかがえる。今後、自衛隊に同社のAIが本格的に導入される可能性もあるだろう。
日本にとって、これは何を意味するのだろうか?

1月16日にワシントンDCのパランティア社を訪問した小泉防衛大臣(出典:防衛省ウェブサイト)
イラン攻撃で使用されたパランティア社のAI
米国防総省は3月、パランティア社が開発したAIソフトウェア「メイブン」を米軍の指揮統制システムに正式に導入する方針を固めた。
メイブンは、人工衛星やレーダー、偵察機などの各種センサーで収集した敵に関する膨大な情報をAIで解析し、指揮官に戦闘状況をリアルタイムで示すとともに、自軍がとるべき作戦行動についても提案するソフトウェアである。
米軍にはすでにプロトタイプが導入されており、今回のイラン攻撃でも活用された。米軍は攻撃開始から最初の24時間で、2003年のイラク攻撃の時の2倍近い1000以上の標的を攻撃したが、AIの活用なくしてこれだけの規模の攻撃は不可能だった。
作戦を指揮したブラッド・クーパー米中央軍司令官も、AIを活用したことを認めたうえで次のように語っている。
この記事は無料で続きを読めます
- 米軍が目指す同盟国との「統合多国間指揮統制」
- マイルストーンとなったバリカタン2026演習
- 自衛隊はいっそう米軍の「手足」に
すでに登録された方はこちら