ファクトで検証する「自衛隊は経済的に厳しい子が行く」発言の真偽
立憲民主党の古賀千景参院議員が6月15日の参議院決算委員会で「自衛隊には経済的に厳しい子供たちが行くんです。豊かな子供たちは自衛隊とかなりませんよ」と発言したことに、各方面から批判が集まっている。
小泉進次郎防衛大臣は同委員会で、「(自衛隊に行くのは)貧しい家庭の子しかいないと言われましたけれど、まったくそういうことはない。事実誤認だと思う」と反論。翌日の閣議後会見でも、「親の姿を見たり、国家への貢献を考えたり、公共への思い、社会への思い、そういった志を持って自衛官に自ら進んで志願をした方々にとって、今回の発言は冒涜に当たるようなものだと思う」と批判した。
自衛官の入隊理由は多様
確かに、経済的に厳しい若者だけが自衛隊に入るというのは、事実ではない。豊かな家庭の出身でも、自衛隊に志願する人はいる。実際、ある元自衛官の男性は「俺は経営者の親に何不自由なく育ててもらった身だが、この国をあらゆる脅威から守るべく、自衛隊に志願した。断じて金の為などではない」とSNSに投稿し、古賀議員の発言に怒りを露わにしていた。
このような方にとっては、自衛官は経済的理由でやむなく志願した人たちばかりと言わんばかりの古賀議員の発言は、冒涜であっただろう。「豊かな子供たちは自衛隊とかなりませんよ」という言い方も、尊厳を傷つけるものであったと思う。
ただ、自衛隊に入る若者がみんな国防への高い志を抱いているかというと、それも事実とはちょっと違う。
私は自衛隊が2025年の春に入隊した約5000人を対象に実施した部内アンケートの結果を、防衛省に情報公開請求して入手した。
「自衛隊に入隊することを決めた理由」を「社会に貢献できるから」と回答したのは、約56%となっている。一方、「収入や処遇、福利厚生が良いから」は約42%だ。複数回答可なので、重なっている人もいる。他に、「人として成長できそうだから」(約43%)、「やりがいをもって働けそうだから」(約36%)が多い理由となっている。
このように入隊の動機は多様で、一つに限られるものでもない。一面的に捉えず、ありのままに見ることが大事だ。

貧しい若者をターゲットに勧誘しているのは事実
他方、自衛隊が経済的に厳しい若者をターゲットにしてリクルートを行っているのも事実である。